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第88話

カメラの奥の長岡を見詰める。 雄の目で自分を見ていてくれる目。 ギラギラしていて発情はしてくれていると分かる。 けれど、もっと欲してもらわないと長岡のモノはもらえない。 「……まさっ、…さ、…きもち…」 「うん。 気持ちいなぁ」 喉が震え、声も不安定になる。 それでも口にした言葉に長岡は笑みを深めた。 マスクをしていても分かる。 筋肉の動きや声色。 見えなくたって分かるだけ、同じ時間を過ごしてきた。 その時間はこんなウイスルに壊されない。 「……で、でも…」 「でも?」 「でも……、ぅ…っ、う゛……ッ」 またダラしなく甘くイってしまう。 どうしよう。 イってばかりで、どうすることも出来ない。 排泄してしまいたいが上手く腹に力が入らない。 どうしたら、長岡はもっと勃ってくれるのか。 興奮してくれるのか。 「……く、…っち、なめっ」 腹に力を入れると漏れそうだ。 漏らせば興奮するだろう。 だが、流石にソファで漏らす訳にはいかない。 丸ごと洗濯出来ないものは駄目だ。 例え長岡が喜んでも。 けれど、先程から前立腺から精嚢をゴッゴッと刺戟する玩具に無様にイかされ続け、体力がみるみる減ってきている。 ヘバったら長岡はいれてくれないはずだ。 それだけは避けたい。 長岡ので、体内をミチミチに満たして欲しい。 早く犯されたい。 あのエグいほど張ったカリでゴリゴリされたい。 精液をぶっかけて欲しい。 縛られ動かせない手を握り締めた。 「いらま…っいら、まあ……して…く……くださッ」 「イラマ? イラマされてぇの? マゾだろ」 「してっ、して…っく……おねが…」 「だーめ。 ソファに縛られてたら出来ねぇだろ」 そんな…… 口でさえ長岡のモノをもらえなくて涙が滲んだ。

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