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第89話
何回目かも分からない甘イきに頭がぼんやりする。
縄酔いも相まって、三条の顔は蕩けていた。
「おっ、おか、…あっ」
「犯して欲しいなぁ。
酷くされてぇなぁ」
「さ、…れたい……、」
酷いことをされているというのにこれだ。
長岡の加虐心がムクムクと顔をだす。
もっと我慢させたら、どんな淫らな願いを口にするか。
もっと淫らな姿を晒すか。
見てみたい。
試してみたい。
ゾクゾクする思いを隠せない。
「ま…あっ、」
快感に溺れながら長岡と視線が絡んだままの三条。
可愛い。
愛おしい。
気持ちは膨らむばかり。
「まさっ、……ぅ、…ん…ん゛ん゛ッ」
三条は足の指を丸めビクッビクッと身体を跳ねさせ、またイった。
何度も自分以外で絶頂を迎える。
それでも足りないと自分を求める恋人。
タオルを間に固く閉じる唇を開かせた。
「唇、噛むな。
切れるだろ」
「……あっ、…ご……っなさ…」
「次に噛んだら、猿轡噛ませんぞ。
涎垂らして喘ぐしかなくなんの。
遥登似合いそうだな」
その目は嘘を吐けない。
潤みながらも、好奇心の色を消せない。
されたいとばかりの色を見せる。
それは三条持ち前の知的好奇心だけではない。
本当に、可愛い子だ。
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