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第93話

「なんでもすんのか?」 頭しか動かせない三条は、必死に頷いた。 なんでもする。 なんでもしたい。 「ふぅん」 長岡はなにかを考えているのか、そんな声をだす。 その間もビクビクと身体を震わせ堪えている。 さっきから尿意に似たナニかを感じていてやばい。 尿は出したのに出そうだなんて、陰茎が壊れてしまう。 「さ、っせ……え、くだ…っい」 「分かった。 約束な」 顔を上げようとした視界に腕が伸びてきた。 「あ゛……ッ」 そして呆気なく抜け出た玩具は、漸くエグい動きを止める。 「、あり、と…ございます…」 まだナカがジンジンする。 声もカスカスしてきた。 けれど、たかが玩具に齧られただけ。 やけにあっさりしていたのも気に……。 自分で出来なかったから、正宗さんのもらえてない……? 「まさ…」 「ん? ゴムする間だけ焦れてろ」 「ゴ…ム……」 「って、その前になんか飲ますか。 待ってろ」 「だいじょぶ、です」 「まだ喘がすから飲んどけ」 そんな不安はすぐに吹き飛んだ。 長岡は破ろうとしたコンドームの袋を汚れた腹部にわざと置いた。 三条の羞恥心が落ち着かないように。 そして、そのまま前を寛げた状態で長岡は冷蔵庫の方へと歩いていってしまう。 確かに、泣いて水分を出したせいか喉が乾く。 決して喘ぎすぎではない。 …………多分。 「待たせた。 ほら、飲めるか」 パキッと詮を切ったペットボトルが差し出され、チビチビと唇と濡らすように飲んだ。 溢さないように気を遣ってくれているのが、伝わってくる。 本当に、この人の愛情は深くて果てない。 「ありがと…ございました」 「じゃ、セックスの続きな。 ゴム破ってやろうな」 「……は、い」 手に取られた避妊具の袋がピッと破かれる。

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