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第103話

1時間と半分ほど時間が経っただろうか。 ゲームをしている相手─三条─は、目をとろんとさせはじめた。 色っぽさもあるその顔に長岡は声をかける。 「遥登、眠いな」 『ん…起きてます』 「起きてんのか」 『はい』 指を動かしはじめ自分の画面も動く。 けれど、先程のような動きではなくゆっくりだ。 起きていたいというより、一緒に時間を過ごしたいと思ってくれているのだろう。 可愛い願いだが、今日は特に体力を消耗しているので回復の為にも休んで欲しい。 「じゃあ、横になって話そうぜ」 『…ゲームは…、おわり…?ですか』 「そう。 続きはまた明日な。 ほら、セーブ」 心配なので、一応画面を見せてもらう。 なんだかやっていることが親子っぽい。 まぁ、家族という括りは間違いないのだが。 「枕に頭くっ付けろ。 そうだ。 良い子だな」 『これ……寝ちゃいそう…です』 「んー?」 『ん……、だって……はなす、…いった…』 「夢ん中で会うのも良いだろ。 デートして、セックスして」 『………えっち、し…た…』 「したな。 気持ちかった?」 限界まで眠い三条は素直だ。 甘えた喋り方も、発言も。 いつもが天邪鬼という訳ではないが、眠い時の三条からしか得られない栄養がある。 『……ん、…すご……きも、ち…』 もう目蓋が開かないみたいだ。 『すき…、』 ほら、これ。 どんな栄養剤でも得られないだろ。 「遥登、俺の夢みろよ」

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