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第115話

うどんに天ぷら、それだけでは足りないので、スーパーを歩きながらなにか見繕う。 優登も沢山食べるしなにかガツッといきたい。 やっぱり天ぷらを多めにつくって、天丼か。 野菜のかき揚げなら買い物は差ほどで済むしな。 「はーう」 繋いでいる手をグイグイとひきながら綾登が見上げてきた。 「どうした?」 「おにく」 「お肉食べたい?」 「おにく、ね。 あのね、すき」 「美味しいもんな。 じゃあ、肉うどんにしよっか」 「おぉー!」 肉うどんなら、天ぷらはやめてカニカマや野菜の巻き寿司も良いなと思いながら量の多そうなパックを見繕う。 よく食べる兄弟に似て幼い弟も沢山食べるのでエンゲル係数は中々の数値だ。 けれど、両親はお腹いっぱい食べてねと言ってくれる。 綾登をみていると、そう言ってくれる親の気持ちが分かる。 健やかに育って欲しい。 沢山遊んで、お腹いっぱいご飯を食べて、気持ちの良いふとんで寝て欲しい。 ただ“当たり前”の毎日を願ってくれているんだと。 低い位置にある頭をくしゃっと撫でた。 「いっぱいたべる」 「じゃあ、これにしようかな。 それと、牛乳買おっか」 「ぎゅーぎゅー、こっちよ」 「あ、待って。 今日、醤油が安いんだよ。 買わなきゃ」 「あーい」

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