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第123話

「た、っちゃうから…」 「困る?」 「……帰れなくなります」 いくら暗くても勃起させたまま歩けない。 それも近所をだ。 バレたら変態確定。 社会的に死んでしまう。 理性が動く内にと口を開いたが、長岡はニヤニヤするばかり。 そして指も。 サワサワと皮膚の薄いところばかりを撫でてくる。 「…ッ」 「ほんと、たまんねぇよな」 「ほんとにっ、たつ……」 「ま、良いか。 覚えた?」 コクコクと何度も頭を降る。 覚えたもなにも、経験した事は忘れにくい。 この頭はその引き出しの残している。 長岡から与えられるものなら尚更。 「良い子」 近付いていた顔が離れていく。 そして、漸く口元を拭われた。 袖で拭われ、洗濯の心配をしてしまう辺り庶民的だ。 「汚れちゃ…ますから」 「気にすんなよ。 ほら、綺麗になった」 「ありがとうございます…」 なんだか落ち着かない気がするのは身体が焦れているからだ。 この熱を冷まさないと、いつまでも燻っている気がする。 アイスを食べて熱を冷ましたい。 けれど、スプーンは長岡が持ったまま。 「正宗さん、アイス……食べたいです」 「えろ」 「えろくないです…」 「食べさせてくださいってカメラに向かって言ってくれよ。 おかずにする」 本当に……。 けれど、それをしてしまう。 結局自分も甘いんだ。

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