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第125話

「ごちさまでした」 「沢山食べたね」 「へへぇっ。 ぺかぺか」 「綺麗に食べてくれて、ありがとう」 「どいたまま。 みっちゃも、あっとね!」 「どういたして。 はい、遥登達のところ行って良いよ」 ピカピカになったお皿を見て褒めてくれるのが嬉しいとばかりに綾登は笑った。 デザートの苺も、今日はいつもより美味しかった。 毎日食べたい。 「はーう、ゆーとっ」 「どうした」 「あそぼっ!」 「保育園行くまでな」 「俺はもう出ねぇとだから帰ってきたら」 いつもより遅くまでいてくれている、次男と父。 父親が車で送ってくれるので、この時間までいられるだけで、普段ならとうに登校している時間だ。 待っていてくれたんだ。 次男の背中によじ登るようにして抱き付く。 「はあくね」 「今日は6限まであんだよなぁ」 「なぁに?」 「長いんだって。 でも、いつもの時間だよ」 「がんがえ」 「うぃー」 寝癖でチリチリになった頭を大きく掻き混ぜるように撫でて、優登は学校へ行った。 父も。

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