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第130話
満足そうな顔をして眠っている三男の、やわらかな髪を撫でる。
癖のない真っ直ぐな髪の毛。
ぷくぷくの頬。
2歳といっても、まだまだ赤ちゃんの面影が濃い。
「楽しそうだったね」
「そうだね。
お腹、すごいしね」
綾登曰く、ぽんぽこりんのお腹が寝息に合わせて上下する。
そこにふとんをかけ、両親も一緒に潜り込む。
「美月ちゃんも、ありがとう。
綾登が生まれて、家の中がもっと明るくなった。
毎日、楽しいよ」
「しあわせ?」
「うん。
すごくね」
「そう言ってたもんね」
長男が生まれるずっと前のプロポーズ。
『美月ちゃんといると僕がしあわせなんだ。
だから、美月ちゃんもしあわせにしたい。
しあわせにします』
って。
「美月ちゃんは?」
「えー、どうだろう」
「ちょっと…」
「ふふっ。
しあわせだよ」
兄弟に、いや、兄弟がそっくりな顔で悪戯っぽく笑った。
その顔は、ちゃんとしあわせそうだ。
「しあわせなら、嬉しいな」
「いらない心配ばっかりすんだから。
もっと、楽しいことだけ考えれば良いの。
ね、綾登」
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