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第131話

長岡とダラダラゴロゴロ過ごすゴールデンウィーク。 本を読んだり、オンラインでゲームをしたり、一緒に寝たり。 そうやって過ごすのにも、少し慣れた。 仕方がないというコトバで片付けるのは好きではないが、人は、時間が経てば嫌でも慣れる生き物だ。 適応性が高くなければ、生き残ってこれなかった訳なのだから。 『そろそろ行くかな』 「あの、本当に…良いんですか」 『俺が会いてぇからな』 もう数時間後に迫った5月5日。 三条の誕生日だ。 日付けが変わる瞬間は今年も弟に譲るらしいが、その後は長岡が一人占めしたいと言ってくれた。 そんな、嬉しいこと良いのだろうか。 そう聴けば、長岡は当たり前だろと笑ってくれた。 「神社…ですか?」 『遥登ん家の近くまで行く。 早く会いてぇからな』 「……へへ」 『照れてんだ。 可愛い』 「だって、嬉しいですから」 長岡に会えることがなによりのプレゼントだ。 「待ってます。 だから、安全運転で来てください」 『任せとけよ』

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