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第155話

視姦、されている。 あの目が、自分を犯す。 『指にローション纏わせて、ケツ…アナルなぞれ。 指は入れんなよ。 まずは、しっかり濡らさねぇと』 「……はい、」 長岡から貰ったパウチを破り、指先に垂らした。 とろ…っと指先の体温で蕩け垂れていく。 それを床に溢さないようにアナルへと近付けた。 予め掃除を済ませたといっても、緊張する事実は変わらない。 奥まで濯いだつもりでも、自身では確認出来ない。 そんな場所を、好きな人に晒す。 「……ん、…ん…」 『もう感じてんのかよ。 敏感だよな』 「…正宗さんが、そう…した、から」 『ん。 俺がそうしたんだ。 だから良いんだろ』 なぞるだけしか許されていないアナルがきゅっと締まる。 あんな良い顔が雄の空気を纏うと、それは色気に変わる。 ゾクゾクがとまらない。 食われたいと思ってしまう。 『そうされて、嬉しい?』 嬉しい。 長岡の好みになれているなら、嬉しい。 倒錯していると他人は言うだろう。 身体を作り替えられるんだ。 排泄器を性器に変わりにし、奥まで凸と凸が交わるなんて、と。 だけど、その幸福感を知らない人の言葉なんて薄っぺらくすぐに耳から抜けていく。 大切なのは、大切な人からの言葉。 長岡からの言葉の方が、うんと価値がある。 「うれ、し…です」 『じゃあ、もっとやぁらしくなろうな』

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