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第159話

指でアナルをなぞるだけが、こんなにもどかしいなんて。 恥ずかしいよりもどかしい方が上回る。 腰が勝手に動いて、指を飲み込もうとしてしまうほどだ。 自分の身体なのにどうすることも出来ない。 出来るのは、なぞり緩すぎる刺激を与えるだけだ。 脚を拡げ陰茎を晒しても、なぞる動きを止められない。 『あーあー、ケツ、ヒク付いてるじゃねぇか』 「……だって」 「もどかしもんな」 分かっているのに、“もっと”をくれないサディストな恋人。 ニヤニヤと楽しそうに見ているだけ。 見られるているのも興奮するけど、もっと甘いのも欲しい。 思わず口から淫らな要望をだしてしまいそうだ。 「ま、さむねさん…」 『ん? あぁ』 脚を抱き抱えるように上げ、両の手でアナルを拡げる。 破廉恥だ。 ナカの肉の色が見えてしまっている。 物欲しそうにヒク付いているのも、指先に伝わってくる。 それでも、ソコを晒す。 「み、見て…ください」 『えっろい色まで見えてんぞ。 あ、締まった。 恥ずかしい? 恥ずかしいよな。 でも、見られて気持ちいな』 「きもち…」 『そういう顔してる。 やぁらし』 羞恥のせいか息が浅くなる。 だから頭にいく酸素が少なくなり、ボーッとするんだ。 はしたないことをするのも、口にするのも、そのせい。 『遥登。 ローター、欲しいか?』 ローター…。 欲しい。 あの振動で、前立腺を刺激されたい。 長岡の指が貰えないなら、そのかわりになる刺激がほしい。 「ほし、です…」 『使いな。 持ってこい』 「はい」 やけにあっさりと許可が出たなとは思ったが、長岡の気がかわってしまうといけない。 ここで焦らされるのは避けたい。 サッとそれを持って、先ほどの場所へと戻ってくる。 そして、本当に良いのかお伺いをたてた。 「あの、本当に…使って良いんですか」 『あぁ。 だけど、すぐに入れんなよ。 さっきみたいに焦らしてから。 出来るな』 「はい」

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