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第162話
『…………も、と』
「もっと、なんだよ」
『ののしっ、て…くださ』
罵って欲しいだなんて、本当に恋人はマゾい。
優しい言葉より辱しめの言葉が良いのか。
可愛い。
愛おしい。
本人がそれが望むなら、叶える他ない。
「恥ずかしいって言うくせに、恥ずかしいことさせられるんの好きだよな」
『…ごめ、っなさい』
「やらぁしくて好きだ。
ほら、もっとはしたない姿見せろよ。
そしたら、罵ってやるから」
長岡自身、意識して罵っている訳ではない。
ただ、それらが2人の間でカチリと填まり合うだけで。
長岡の求めるものを三条が、三条の求めるものを長岡が持ち得ている。
「ローター、半分だけ食って良いぞ。
半分だけだぞ。
丸飲みしたら今日は終わりだ。
オナニーもすんな」
三条は言われた通りローターを半分だけアナルで銜えた。
ヴヴッと震える動きでナカに入ってしまいそうなのをなんとか指で詰まんで止める。
その健気さに、長岡は笑みが止まらない。
『は……い…』
「ははっ。
美味い?」
『……っ、お、おい、し…』
「ほら、抜け」
『……はっ、…ん、』
小さな刺激に足の指を丸めている。
身体の燻り、つらいだろう。
小さいとはいえ、刺激には代わりない。
それを受け取るだけしか許していないのだから。
焦れったいとばかりの目で見詰めてきても駄目だ。
それを望んでいるのは三条本人なんだから。
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