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第163話

身体を丸めなんとか快感を逃がそうとするのだが、アナルから離れていかない。 ジクジクと疼き無視も出来ない。 気持ち良いのが欲しくて泣くなんてしたくないのに、視界は滲む。 子供みたいだ。 『遥登、顔見せな』 「………は、い」 ゆっくりとカメラを見、長岡と目を合わせる。 『そんなにしんどい?』 しんどい。 堪えているのがギリギリだ。 今すぐディルドでナカをミチミチに満たして快感を得たい。 縁が捲れるほどの刺激が欲しい。 何度も頷く。 『そうか。 分かった。 なら、まだ“待て”だ』 「…そ…んな…」 まだ待てだなんて。 こんなに、身体が疼いてたまらないのに。 「……ど、しても…ですか」 『どうしても。 ケツの中、掻き回したくなるまで我慢しろ』 「もう………なってます……」 『足りねぇ』 そんな残酷な言葉を、ニヤニヤしながら言うんだ。 サディスト以外何者でもない。 眉が下がり、今にも涙が零れそう。 『遥登。 今日から週末まで、射精すんな。 ケツとか乳首でイくのは良いけど、精液出すんじゃねぇぞ』 「……」 『ちゃんと出来たら、ご褒美』 「ご褒美……」 『そ。 ご褒美』 ご褒美。 その言葉に反応してしまう。 『なに想像してんだ?』 「せ、くす……」 『ご褒美はセックスが良い?』 セックスが良い。 アナルをめちゃくちゃくに犯されたい。 泣いても止めないで責められたい。 あの顔に見下ろされて、あの声で命令されたい。 「はい…」 『じゃ、我慢だ』

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