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第176話

陰茎を舐められているのに、玉まで揉まれて腰が動いてしまう。 気持ち良い。 あったかい舌がねっとりと絡むのがたまらない。 「あ……、」 喉の奥から絞り出される声が恥ずかしい。 ブランケットを宛がってはいるが、恋人のにおいが濃くてより興奮してしまうだけ。 自分で押し付けているのに、押し付けられているように錯覚してしまい感じてしまう。 男の力で押さえ付けられた時の、あの力を思い出してしまう。 身体が恥ずかしいほどに反応してしまう。 「ははっ、また硬くなった。 ほんとわっけぇな」 根元から先までカリを辿って舐められ腰が跳ねた。 こんなの、こんなえっちな舐められ方、我慢出来ない。 頭がビリビリする。 「興奮してんのか。 こうされんの、好き?」 好き。 だけど、してくれるのが長岡だから。 長岡じゃないと、好きじゃない。 紡ぎたい言葉はあるのに、口から出るのは意味のない音だけ。 言葉の発し方が思い出せない。 「あっ、あ…っ、」 「かわいー」 先にキスまでされて息を飲み込んだ。 「そのまま力抜いてろよ」 「……あっ、え、あッ」 玉を揉んでいた手が蟻の戸渡を辿りアナルをつついた。 それだけではなく、ヌプッと潜り込んでくる。 ナカが、喜ぶ。 だって、ゴムの感覚がない。 「あっ、お、ぐっ、」 生の指。 嬉しい。 なのに。 「あぁ、指もゴムのしねぇとな。 生はお預け」 至極楽しそうな声が降ってきた。

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