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第189話

すっかり常備されるようになった湿布薬をバリッと破ると平べったい腰に貼り付けた。 最後に変な体位にしたので一応だ。 シャワーを浴びボディソープのにおいに薬剤のにおいが混ざり合う。 それを三条が纏うと、セックスの終わりなのだと実感する。 「大丈夫か」 「はい。 大丈夫です」 捲り上げた服を直しながら、まだしっとりした襟足に気が付いた。 そこをタオルで拭えば、すぐに三条は自分でやると言う。 こんな楽しいことを1人だけにさせる訳がないというのに。 「俺がしてぇんだから、されとけ。 汗か? 暑くねぇ?」 「大丈夫です。 ありがとうございます」 「あんなことされたのに良い子だよな。 ほんと、心配だよ」 「したの、正宗さんなのに…」 「素直に従う遥登も遥登だろ。 精液、美味かった?」 膝を抱え顔を隠す可愛い子。 湿ったタオルを頭に被せ大きく緩く抱き締める。 湿っていたってマスクよりずっと良い。 「正宗さん…?」 「んー、重いか?」 「いえ、大丈夫です。 あの……美味しかったです。 また、…ください」 「遥登のも飲ませてくれよ」 「……検討します」 「ははっ。 なんだそれ」 タオル越しに丸い頭に頬を寄せる。 負けるな。 踏ん張れ。 そう願いながら。

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