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第198話

生徒に混じり清掃をし、席に腰を下ろすと指導教諭がスススッとやって来た。 部活の指導に行くのか準備室から出ていく他の職員に揃って頭を下げる。 「三条先生、今、高校も居残り禁止でして…。 残れて19時迄なんですよ。 いや、亀田先生が目を光らせているのでほぼ18時30分にみんな帰ってるんですけど」 「そうなんですか」 「子供が相手ですから、中々厳しくて。 今なにかあったら夏休みを削るんですけど、これが後期だとキツくて。 只でさえ短い間冬休み春休みを削るって教師側も準備が大変になるんです。 なので、居残りでみたいのは山々なんですが、それ以降は宿題にします」 「分かりました。 お手数をおかけします」 「いえいえ。 俺も数年前はされた側ですから。 それにしても、通年通りに受け入れられて良かったですよ。 秋に受け入れとかもありますし。 幸い、うちはまだ学級閉鎖とか学校閉鎖もないですしね。 準備して、閉鎖は嫌ですよね」 改めてすごい時代だと思う。 自宅でオンライン授業を受けているだけで過ごした日々で、外は目まぐるしく変化している。 どこか取り残されたような気持ちになってしまうが、それを気にしたところでなにも変えられない。 なら、今手元にある指導案を纏める方が有効だ。 授業を見学させて貰い書きまくったメモも見返したい。 それから、長岡の声が聴きたい。 「それまではなんでも聞いてください」 「ありがとうございます」

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