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第205話

待ちに待った週末。 花の金曜日と言われる意味が解るようだ。 まだ実習期間は2/3が残っているが、それでも明日は時間を気にせず寝ていられると思うだけで解放感を感じる。 のは、事実だ。 だけど、疲れているはずなのに眠れない。 綾登ならグズっているところだ。 寝返りを打っても気持ちの良い寝姿勢が見付からない。 「もしもし。 すみません…」 『よ。 眠れねぇか』 「……はい」 脳だけが興奮しているのだろうか。 申し訳ない…と思いつつ、なにかあったら必ず連絡しろと言われていたので連絡をとると、長岡は嫌な顔ひとつせず通話を繋げてくれた。 『ちゃんと伝えられて偉いな。 安心した』 先回りした言葉に三条は顔を上げる。 穏やかな表情で見守っていてくれる恋人と目があった。 やわらかな目や、口元。 分かっている。 『迷惑かけたって顔してる。 俺の顔見てみ。 そんな顔してるか?』 「……してません」 『当たり前だ。 理由はともかく、遥登の顔見られたんだからな。 5日ぶりだ』 甘やかされた身体は素直に頷く。 『寝れなくても横になってろ。 身体は休まるから。 それともゲームでもすっか?』 「迷います」 『どっちでも、遥登がしてぇことしような』 「ありがとうございます。 じゃあ、…少しだけゲームがしたいです」 『ルドーでもすっか?』

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