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第215話

粗方の仕事が終わり、時計を見た。 遥登は帰ってる頃か こちらの学校にも教育実習が来ているが、長岡は指導担当にならなかったので挨拶程度の関わりしかない。 その実習生は多分帰宅しただろう。 ご時世的に、自分達の頃のような帰宅時間はさせないらしい。 とはいえ、気を遣いまくり疲れるのは同じだ。 漸く折り返しにきたのだが、最後までしっかり学べることを学び身に付けて欲しい。 どうせやるならとことんだ。 なにがこれからの自分の役にたつかなんて誰にも分からないのだから。 キリも良いし帰るか 腹減ってきてしな 使っていたパソコンを閉じ、帰宅の準備をする。 準備室の冷房だって、大切な税金だ。 切り詰められるところは切り詰め、本当に必要なことに回したい。 学校の備品はどれも高級なのだから。 支給のパソコンがシャットダウンの準備をする横で、鞄にペンケースや授業用ノートを詰めていく。 使っていたマグを洗い、水場もサッと洗う。 それから欠伸を1つ。 準備室には他に誰もいないので気楽なものだ。 学校でも他に日とがいなければ省エネモードの方が疲労は少ない。 せめてそれくらいは許して欲しい。 それにしても、日が長くなった。 本屋に寄ってもまだ明るい時間帯に帰宅出来そうだ。 あー、でも、早く遥登の顔も見てぇな つか生の遥登に会いてぇ 悶々としつつ、これからの予定を決めかねていた。

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