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第218話

あそこはもっと別の言い方が出来た もっと、分かりやすく、イメージしやすく それから… 「三条くん、アイス食べませんか?」 「え?」 弁当を食べ終わりメモ帳を見ながら頭の中を整理していると、向かいにやって来た相川が首を傾げた。 「一緒に食べたいなと思って、買ってきたんです。 学校には内緒で。 あ、準備室に鍵をかけるので…でも、放課後が良いですか…?」 相川の罰な悪そうな顔に、三条はマスクから覗ける目を輝かせた。 「俺も…、いただいても良いんですか?」 「はい。 三条くんと食べたくて買ってきました。 ご迷惑にならなければ…」 「迷惑なんてありません。 嬉しいです。 でも、次の時間授業なので放課後お邪魔しても良いですか? アイスがあると思って授業頑張ります」 「っ! それは、頑張れますね」 人の良さそうな笑みを返してくれる相川の気持ちが嬉しい。 気を遣って貰っているのは申し訳なくも思う。 忙しい時期に、こんなタイミングでも快く受け入れてくれた学校や先生方。 教育実習は、実習生の練習の場ではない。 生徒達にとっては、大切な授業の時間。 無駄になんて出来ない。 行動を制限され修学旅行も行けない生徒がいるのは事実だ。 子供ばかりが我慢し、その反動が身体に見えるカタチで現れた三条には痛いほど理解出来る。 子供と大人の狭間にいるからこその気持ちだ。 迷ってしまう。 大人としても、子供としても。 だけど…。 長岡は、みんなそうしてもらったんだ。 教師も生徒も。 しかも世情がどうこうは遥登達のせいじゃねぇ。 使えるもんは使って甘えれば良い。 歳をとると、そうされると嬉しいからな。 それに、教育実習生が来ると生徒達もどことなく嬉しそうにする。 非日常が楽しいんだろうな。 それは、実習生にしか出来ねぇことだ。 そう、言ってくれた。 不安も気持ちの揺らぎも丸ごと包んで一緒に考えてくれる人がいるのを知っているだけで強くなれる。 「はい。 精一杯を出してくるので、また放課後にお邪魔させてください」 「勿論です」

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