240 / 514

第241話

必死に腰を上げるが、脚が震えて落ちてしまう。 震えと言っても恐怖ではない。 気持ち良すぎて、変な筋肉に力が伝わってしまうみたいだ。 どうしたら楽に腰を上げていられるか。 回らない頭で考える。 なのに、アナルを掻き混ぜられると頭の中までそうなってしまう。 「ん…っ、ン…、」 それに、股のやわらかいところを擦り上げるアツいソレに思考はゆるゆる。 気持ち良いものを追うしか出来ない。 気持ち良いばかりが頭を占める。 「ぁ゛…ッ」 甘いものばかり強請ってはしたない。 男を貪って恥ずかしい。 だけど、そのどちらも長岡が教えてくれたことだ。 長岡から与えられるものはすべて自分のものにしたい。 「ケツ弄ってても、素股じゃイけねぇだろ。 乳首でもちんこでも弄って良いぞ」 「い、い…ですか、」 「あぁ。 遥登もイけよ」 背凭れに胸をくっ付け、利き手を伸ばす。 扱きたい。 玉もパンパンで精液がぐるぐるしている。 これを射精したらどんなに気持ち良いだろう。 「あっ、…あ、…まさ、」 「気持ちいか」 「ん、…ぅんっ、…きっ、もち…」 「もっと良くしてやるよ」 増やされる指。 激しくなる動く。 アナルが気持ち良い。 すごく、気持ちが良い。 背凭れにしがみつく手にタオルの上から噛み付き、過ぎる快感を少しだけ逃がそうとした。 なのに。 「噛むな。 傷付いたらご家族になんて言うんだ」 首輪を捕まれすぐに阻止される。 「かはっ」 それどころか、首が締まる感覚に更に興奮した。 すごい。 酸素が薄くなると苦しいのにそれがすごく快感になる。 倒錯している。 こんな、普通じゃないのに。 でも、普通ってなんだ。 長岡も三条も互いの普通を生きている。 例えそれが他人の普通でなくても。 なら、受け入れた方が良い。 だって、これが自分なのだから。 「く、…っび……、もっと…」 「スキモノ」 長岡は遊びのあったリードを手に巻き、それをなくした。 期待に陰茎が手の中で大きくなるのが分かる。 本当にスキモノだ。

ともだちにシェアしよう!