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第244話

ハッ、ハッ、と荒い息を吐く三条の頭をブランケット越しにくしゃりと撫でる。 それでも伝わってくる手の感覚に三条は目を閉じた。 このまま眠れそう。 だけど、賢者タイムがそれを邪魔する。 射精自体は気持ちが良いが、これが嫌だ。 なんて、ケツでイけるようになる前は考えることもなかったことを思う。 「遥登、舐めろ」 たったそれだけの言葉にその意味を理解した。 ブランケットの隙間から恋人を見上げると、視線が絡む。 まだギラギラした肉食動物のような目をしている。 まだ行為は終わらない。 嬉しい。 もっとだ。 「ソファにぶっかけた自分の精液、舐めとれ」 「…は、い」 のそのそとソファから降り、硬い床に膝を付ける。 そして、背凭れや座面に飛び散った精液へと舌を伸ばした。 酷いにおいだ。 味も。 自分のモノなんて不味いし、舐めたいなんて思わない。 けれど、長岡からの命令だ。 ぴちゃぴちゃと舌先で掬い舐める。 「そのままな」 期待、してしまう。 もっと、もらえるのが嬉しい。 あさましくも腰を振りそうになるのを僅かに残った理性で押さえた。 そして背後へと回ってきたかと思えば腰を捕まれ、素股が再開される。 「ん…っ」 「そーそー、そのまま舐めてろ」 いやらしい。 こんな、破廉恥な行為。 なのにすごく興奮する。 端から見たらセックスをしているように見えるだろう。 だけどしているのは素股。 確かにそれは寂しいけれど、それでも、自分で気持ち良くなってくれているのが嬉しい。 こんな貧相な身体で発情してくれているのが嬉しい。 「まさ、さ」 「どうした」 「かけ、て…ください」 「風呂はいったらバレんぞ」 「されたい…です」 「考えとく。 ほら、まだこびり付いてんの舐めろ」 パンッとわざと腰を打ち付けられ、汚れたソコに顔を付けてしまう。 更にそれに興奮し、今度は綺麗に舐めとるまで顔を上げなかった。

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