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第246話

「…正宗さん、シャワーありがとうございました」 「ん。 ちゃんと流せたか」 下半身だけシャワーで洗い流した三条は、長岡の部屋に置いてある洗濯済みの下着を履き戻ってきた。 長岡はその間にソファの掃除と消臭剤を撒き、粗方の痕跡を消していた。 とはいえ、すぐに青臭いにおいは消えてくれない。 三条の目が泳ぐのが分かった。 ついでに撒こうと思っていたファブリックミストのボトルを机に置く。 「はい。 あの…、お手数をお掛けしてます…」 「構わねぇよ。 で、だ。 まだシャッター回数残ってるから写真撮らせてくれ」 「え…、」 「スーツ姿の遥登と一緒のやつ」 スタスタと三条の元へと行くと、すぐにスマホを操作する。 インカメにしたスマホを翳されキョドる三条を画面に写した。 「あ…俺、汚いです…。 顔とかシャツとか、なんか付いてませんか…っ」 「精液が付いてたって、今日の思い出だろ。 ほら、可愛い顔見せろ。 ちんこに精液垂らされて感じましたって」 「…っ」 隠しきれないほど真っ赤になった。 「あの後、俺の精液でオナった?」 「っ!!」 「ははっ。 真っ赤。 したのか」 「…そ、の…」 さっきは自分からいやらしいことを言ったのに、理性を取り戻すとこれだ。 どっちの三条もとても愛おしい。 「その顔で良いのか?」 「時間…ください…」 「はいはい」 可愛くてしかたがない年下の恋人。 だけど、この3週間でまた大人びた。 嬉しいような、寂しいような。

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