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第261話

「あ、でも、あのイチャイチャした動画は寂しかったなぁ」 わざとらしく言えば、三条が空気を和らげたのが分かった。 『可愛かったです。 自分で頭を動かして撫でて欲しいところを差し出してきたり、お利口でした』 「猫は頭良いからな。 増して、近所から可愛がられてるだろうし」 確かに、あのサクラ猫も可愛いが、その子の話を楽しそうにする恋人も大変可愛らしい。 無邪気で無垢で。 あんな激しいセックスを好むようには見えない清潔さがある。 それを自分で汚すのがまた良いんだ。 『沢山写真撮っちゃいました。 お腹も見せてくれたんです。 これです。 もふもふでした』 「腹見せたのか。 すげぇ懐かれてんだな」 『正宗さんほどではないですよ。 蓬ちゃんの懐き方、すごいです』 「蓬は犬っぽいところあるからな」 『妬けちゃいます』 「妬くのか?」 『だって高校生の頃の正宗さんにも会ってますし、一緒に寝てたんですよね』 ふはっ、と笑ってしまうと三条は恥ずかしそうにした。 そんな可愛いヤキモチを妬いてたなんて。 嬉しいものだ。 まさか、三条もそんな風に思ってあの動画をくれたのか。 「今度、高校生の時の写真見せてやるよ」 『ほんとですかっ! 約束ですよ』 「はいはい。 約束だ」 いやでも、やっぱりこの顔が1番良いな。

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