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第271話

「今日はありがとな。 すっげぇ良い日だよ」 「俺がお祝いしたかっただけです。 でも、喜んでもらえて良かったです」 会いたいと伝えて良かった。 だから、今こうして一緒にいられるんだ。 「帰ってから洗濯するから明後日から使うな」 「はいっ!」 「このお洒落なシャツは私服にする」 「お洒落って…。 正宗さんが着たらなんでもお洒落に見えますよ」 「なに言ってんだよ」 似合いそうな服だと思ったのだが、気に入ってもらえて良かった。 「次のデートに着てくる」 「ほんとですかっ」 「あぁ。 お洒落してくるよ」 「楽しみです」 ペットボトルを握ったままの手を掴まれた。 「抱き締めさせろ」 無邪気な恋人に頬がゆるゆるだ。 ぎゅぅっと抱き締められ、その心地良さに首に顔を埋める。 今日だけ。 今日は特別な日だから。 だけど、そんな素敵な日を悲しい日にはしたくないからマスクもそのまま。 それでも、きっと、大丈夫。 いつか、もっと良い日がくると信じている。 「あー、キスして身体中撫でくり回してぇ」 「車の中では駄目ですよ…」 「じゃあ、ホテル連れ込みてぇ。 遥登も成人したし、連れ込んでも問題ねぇだろ」 「えっちぃ方…?」 「えっちぃ方。 それ以外あんのかよ」 「ビジネスの」 「俺は知らねぇな」

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