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第274話

細いのに逞しい。 反する2つが同居する身体にドキドキがとまらない。 シャワーを浴びている長岡は浴室のドアを全開にし、脱衣場にタブレットを置いてくれていた。 角度的に色々見えてしまっているが、恋人同士。 それに同性同性だ。 困ることはない。 ……いや、本当は少しだけムラッとしてしまう。 少しだけ。 本当に少しだけだ。 それにしても、下からだと身体の殆んどが脚に見える あとあの腰 えっちだ… エグい鼠蹊部がいやらしいのなんの。 ギュッと男の色気が詰まってる。 あの身体にいつも捩じ伏せられていると思うとたまらない。 やっぱりムラムラするかも……しれない。 なんとなく三角座りをして股間を隠した。 しっかりと見て頭に叩き込む。 どちらにしたって、覚えておいて損はない。 ナニに使うかはあれだが。 水音が止むと、長岡は前を隠すこともせずこちらを向いた。 『風呂浸かるから付き合ってくれ』 「はい、」 『照れんなよ。 親より見てるだろ』 「流石にご両親の方が…」 『そうか? 遥登の方が見てんだろ』 少ない湯に浸かっているのか顔が見えなくなった。 どんな体制で浸かっているのか気になるが、身体をあたためて欲しい。 いくら夏でも冷えすぎても良くない。 『なー、俺の身体の黒子の位置とか知ってんのか』 「え、あ…そう、ですね」 湯船から顔が覗いた。 『えっち』 「正宗さんだって、俺の……知ってるでしょ」 『んー、知ってる。 えっろいところにもあるよな』 「どこっ」 『秘密』 にっと悪戯気に笑った顔すら様になっている。

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