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第301話
「ど…っち……」
自分で付けるか、付けてもらうか。
どちらを選んでもとても恥ずかしい。
でも、自分で付けた方が良いのだろうか。
「……わ、かりません…」
「選べねぇ?」
頷くと長岡はマスクの中で小さく笑った。
「…すみません、」
「んじゃ、俺が付けてやる。
自分で見せてみ」
「え…」
「ほーら」
付けるか付けられるかも分からないと答え、またもや出来ませんとは言い難い。
恐るおそる手を下へと伸ばしベルトを外す。
いまだシートへと片手は押し付けられており、片手しか使わせてもらえないので辿々しいが、それでもベルトのバックルを外せた。
残りはずらせば良いだけだ。
こちらは片手でも楽に出来る。
「慣れてんな」
「そ…んな、ことは…」
「男って感じ」
「男です…」
「知ってるけど、なんつぅか男だよな」
長岡が言おうとしていることは、なんとなく理解出来る。
兄や優等生のイメージの強い三条から性のにおいがしないように、普段ふにゃふにゃ笑っている姿から男の子ではなく成人した男のにおいはほぼしない。
三条だって、長岡先生に対して雄みは感じない。
言おうとしているのはそういうことだ。
「手ぇ、とまってる」
「あ…、すみません…」
「ほんと素直だな」
前を寛げたボトムスの隙間から下着をズラし今日もツルツルの箇所を見せて手をとめた。
「どうした?」
「俺…、とんでもなく恥ずかしいことをしているんじゃ……」
「今更だろ」
「……」
「しねぇ?
俺の喉、孕ませてくんねぇの?」
「…………」
グイグイを下げ根本を露出させた。
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