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第305話

とりあえず被せるだけ被せると、舌を出したまま口を離した。 突然快感を奪われゆっくりと開けられた目を見詰める。 「ぁ…、…?」 呆けた顔も良い。 こんな場所で、こんな顔をするようになって。 本当、恥ずかしいことすら快感として受け入れるようになったらしい。 「はる。 コンドーム、指に被せてくれよ」 「あ、…はい…」 握り締めていたコンドームはくしゃっと潰れていて、それを見た三条は恥ずかしそうに下を向いた。 けれど、その封を切り、言ったことは行う。 「手、貸してください…」 「遥登も口で付けろよ」 「え…、でも…」 「コンドーム使うんだから良いだろ。 ほら」 指を2本、揃えて差し出す。 けれど、三条はでも…と口籠った。 まぁ、考えていることは分かる。 「俺は舐めたのになぁ」 物欲しそうな目に駄目押しを1つ。 あくまでも、自分からさせることが大切だ。 そうすれば、三条は動ける。 「……失礼、します」 口に避妊具を銜え、指を宛がうとゆっくりと舌で下ろしていった。 教えたことをすぐに覚える高機能な学習能力。 自分の物にする長けた力。 勉強に使えば優秀な成績を納められるそれを、今は性的なことにだけ使っている。 「あったけぇ」 「っ!?」 体温の高い恋人の口内は思っているよりもあたたかく、“つい”楽しんでしまう。 上顎をスリっと撫でる。 弱い箇所への刺激に三条の動きが止まった。 ははっ、かわい 長岡ははじめからそれを狙っていた。 そして、もう1つ。

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