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第306話

「あ、……ぇ、ぁっ、」 上顎を撫でながら、感じている顔を眺める。 律儀に口を開け指に歯を立てないようにしているのが三条らしい。 唾液が垂れるのも恥ずかしがるのに、決して口を閉じもしない。 付き合った頃からかわらない反応だ。 「へ、……ぇ…っ、」 ついでに指の背で陰茎を撫でると、困惑と恥じらいの混じった目で見詰めてくる。 良いよな。 この目だ。 それでも、快楽の甘さを覚えた身体はそれを求める。 その葛藤の狭間にいるのが良いんだ。 「ま、は…むえ、はん…」 「んー?」 「ひあ、」 「なぁに言ってるか分かんねぇな」 いや、分かるけどな。 正宗さん、下。 陰茎を触るのを止めて欲しいのだろう。 やめる訳ねぇじゃねぇか。 こんなに楽しいのに。 陰茎の他に舌も弄り、指が三条の体温に馴染んだ頃。 「へ…っ、…ぁ…」 三条の唾液に濡れた指を引き抜き、許可もとらずアナルへと突き刺した。 「なっ、んで…っ」 「ケツからも前立腺弄った方が濃いの出んだろ。 喉孕ませろって言ったからな。 しっかりしたやつ出させてやる」 「……っ」 グニグニと指を1本埋め込めば、三条の腰が逃げはじめていた。 楽しいのはまだまだ続く。

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