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第317話

いつされても、三条の手コキは気持ちが良い。 ちゃんと気持ち良いトコロを刺激してくる。 こんなことにその高い学習能力を使うのは勿体ないと思うほどにツボをついてくる。 しかも今日は、感じるままに気持ち良さを頭へと流し込んで良いので、頭がバグりそうだ。 この状況で興奮しているのもそうだが、まだ幼さを残す顔の子にこんか汚いことをしてもらっているとうことがやばい。 「は…、すげぇ良い…」 「ココ、好きですよね…?」 好きだ。 「ココも」 サービス精神満載の恋人は、中々見られない。 普段から気持ち良くなって欲しいという思いが伝わってくるプレイをしてくる子だが、それとは少し違ったこのプレイ。 折角なのでこれもおかずに頂くことにする。 スマホを翳すと三条は一瞬だけ視線を逸らせた。 「こっち見ろよ。 名前呼んでさ」 「……ま、さむねさん」 「はぁい」 「おかず…、足り、ますか…?」 カメラの中の目が不安げに揺れた。 「主菜だろ。 もう、遥登以外でヌけねぇよ」 手の背でマスクの上から頬を撫でると、三条は恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに目を細めた。 柏と蓬を可愛がる以上に三条を愛おしいと思う。 同じ家族だけど、違う。 三条は、言葉に出来ないんだ。 愛おしい。 愛してる。 大切だ。 どれも少し違う。 この子にしあわせになって欲しいと願っている。 神なんて信じてはいない。 けれど、願う。 それを伝えたかったはずなのに、結局今日も淫らなことをしている。 「その動き、やべぇって」 小首を傾げ“その動き”を再現してくる。 ほんと、学習能力の無駄遣いだ。

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