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第318話

普通に出そうだ。 いつもならもう少し手の動きを楽しむのだが、今日はそれはお預けだ。 「も、少し強く握れるか」 「こう…ですか…?」 触れられているのは陰茎だというのに手の感覚も体温も三条のものだと分かる。 それに集中すれば、あっという間だ。 やっぱり、三条に触れられると段違いに良い。 ん、と息を漏らすと三条が視線を寄越した。 「イきそ」 「……イって、ください」 強請る目に、細く息を吐く。 先走りを塗り付けるような淫らな手淫。 21の子供の手付きではない。 「……イく、…」 我慢する必要なく呆気なく恋人の手を汚した。 恋人には負けるが、結構な量が出た。 そりゃ、あんな淫らな姿を見て脚で刺激されたらな。 「舐めたい、です」 「だぁめ。 拭くぞ」 自身の賢者タイムなどお構いなしに三条の世話だ。 ウエットティッシュで拭くように言っても三条は嫌そうな顔をする。 こういう時ばかり自分の気持ちを顔に出すんだ。 いつもそうなら少しは安心出来るのに。 「遥登もゴム外そうな」 精液が零れないやうに律儀に抑えていた手をどかし、コンドームを外す。 三条のモノも萎えているので簡単に外れる。 それにしても量がある。 処理の少なさより、若さだろう。 羨ましいほどのエネルギー。 外したソレを掲げ、口の中へと流し込む。 ドロッとしていて青臭くて、だけど知った味の白濁。 三条は手を伸ばしてきたが、すぐにぐっと握り引っ込めた。 「ごちそうさま」 「……っ、」 これは先に約束していたから狡くなんてない。

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