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第322話

石鹸が滲みる。 だけど、やめられない。 猿みたいに教えられた気持ち良いことを何度も繰り返してしまう。 正宗さん……、正宗さん……、 頭の中は大好きな人。 においも、体温も、笑い方も、言葉のアクセントもこの頭はしっかりとコピーがある。 勿論、先程の艶っぽい恋人もだ。 20代真ん中で出会い、長岡も30歳。 どんどん大人の色気が出ていて、成長期よりすごい成長を遂げている。 色っぽさもありながら、子供の心を忘れていない無邪気さもあって、等身大。 そんな人と両想いで付き合っている。 秘密の関係。 だけど、疚しい関係ではない。 お互いがお互いを愛していて、大切に思っているから口にしないだけ。 だって、教職は出逢いのきっかけだから。 大切なものだから。 正宗さん…好き… 乳首も摘みながらアナルを弄る。 頭の中で恋人が頬や耳、首にキスをしてくる。 く、ちも… 解っているから、頭の中でだけ。 「……ぁ、」 『はーると』 「…ッ」 『遥登、イけ』 「…、」 『イくとこ見せろよ』 眉間に皺がぎゅーっと寄り、息を詰める。 イ、ちゃ……っ、イ… 「…ッく、」

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