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第324話

「足りなかったか?」 『……そ、うでは、なくて……』 射精させたとは言っても、三条はまだ21歳。 性欲盛んな年頃だ。 しかも幼い兄弟のいる実家暮らし。 3度イっても足りないと言われたって信じる。 やはり、9歳の年の差は大きい。 性欲の差だ。 『なんか…………ムラムラ、して…』 「遥登の口からムラムラって言葉出んの、えろいな」 『なにがですか…っ』 「その声でムラムラするって言われねぇ。 なぁ、もっかい言ってくれよ」 『……好き、って言ってくれたら、』 こういう初なとこらが良いんだ。 まだ21歳。 大学3年生なのに、まっすぐで擦れていない。 机に肘を付き、そこの乗せていた顎を離して口を開く。 「遥登、好きだ」 『……へへ』 「愛してる」 『…俺も、世界で1番大好きです』 つい先程までオナニーしていたなんて思えない顔でふにゃふにゃ笑う。 この顔をぐっちゃぐちゃにしたいが、それは後日。 『…あの、ムラムラ…して、1人でしちゃいました…。 すみません…』 「謝ることはねぇよ。 見たかったけどな。 でも、ちゃんとオナってて良かった」 『たまには、します、』 「あ、だから、俺の服着てねぇのか」 『……』 「ムラムラする?」 『…………ムラムラ、します』 こくん、と頷く頭に笑みが零れた。

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