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第334話

「はう。 こーえん、いこ」 「公園行く? 良いよ」 「どーぐりっ」 みっちゃんに言ってきてと言うと、小さな頭が母親を探しはじめた。 音からパントリーにいるのは分かるだろう。 だけど、かくれんぼみたいで楽しいから、そういうのをやめない。 その間に上着を着て、財布も用意してとあたたかなカーペットから腰をあげた。 家に居てばかりでは身体に良くない。 少しでも身体を動かさないと。 「みっちゃっ!」 「なぁに」 「こーえんっ! はうといっしょ!」 「遥登と公園に行くの? 寒いから上着着よっか」 「あーいっ」 ちょうど荷物を持ってきた所で、ご機嫌な顔と出会した。 どうやら、了承を得たらしい。 「良いの?」 「良いよ。 散歩もしたいし。 なんか必要なのあったら連絡して。 ドラッグストアの前通るから」 「ありがとう」 「あ、どんぐり拾ってくるから袋もらうね」 リュックにどんぐりを入れる袋とごみ袋を入れ、スマホをポケットに突っ込んで用意を整える。 その間に上着を着せて貰った綾登はもふっとしたフォルムになっていた。 「いこー」 「ん、行こっか。 いってきます」 「いっちきます!」 「いってらっしゃい」

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