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第343話

余程寒いのか綾登は炬燵から顔だけを出してテレビを観ている。 気持ちはよく分かる。 寒いよな。 それに、炬燵は極楽だ。 だけど、まだ朝ご飯前。 「綾登、朝ご飯だよ」 「あーとーでぇ」 「今日は野菜スープだよ」 「んん。 とまと?」 「トマトだよ」 「ちゃーちゃーなぁ」 優登そっくりの喋り方をしながら、にこにこした顔で炬燵から出た。 トマト味の野菜スープ、ミネストローネが最近の綾登のブーム。 朝も、昼も、夜も、これが良い!と言うくらい。 確かに、冷えてきてあたたかな汁物が更に美味しくなった。 「こえ、すきぃ」 「良かった。 沢山食べてね」 「はぁい」 一緒に朝ご飯を食べる三条の隣で優登も眠そうな目でパンを齧る。 中学3年、受験生の不安は勉強でしか解決出来ない。 その間でゴッゴッとスープを飲み喉を鳴らす綾登。 シュールな朝だなと思いながら、皮がパリパリのウインナーを齧った。

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