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第347話
土曜日の昼間、駅裏のコンビニで待ち合わせ。
日が高い内からの待ち合わせデートに足取りも軽い。
外でデートは毎週してるけど、昼間は久し振りだな
楽しみ
車の中なら正宗さんと2人きりだし
コンビニ裏の道から出てきた三条に長岡はすぐに気が付いたらしく、ヒラヒラと手を振ってくれた。
にやける頬をマスクで隠し駆けていくと、長岡は眉を下げる。
「正宗さん、こんにちは」
「こんにちは。
走んなって。
転ぶぞ」
「そんなに子供じゃありませんよ」
「子供じゃなくても転んだら心配だ」
大切な人扱いに胸がきゅっとする。
そのままお願いしますと声をかけ後部座席へと乗り込むと、恋人は後ろを振り返る。
「寒くねぇか」
「大丈夫です。
下にあったかいの着てます」
保温効果のある肌着にパーカー。
その上から羽織物をしてきた。
見た目よりあたたかくて動きやすい。
だけど、長岡は納得してなさそうな顔だ。
「暑かったら寄越せ。
そうじゃなきゃ、遥登のにおい付けててくれ」
首に巻かれるマフラー。
ふわふわのそれは、自分のプレゼントだ。
「へへ…っ。
ありがとうございます」
「どういたしまして。
んじゃ、行くぞ」
「はい。
お願いします」
楽しいたのしいデートのはじまりだ。
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