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第361話

暖かな効果のある服を着ていても冷えた。 ぬるめの風呂で身体の芯からあたためる。 身体の奥から、くぁぁ…っと声が出ておじさんみたいで恥ずかしい。 けれど、湯温は適温でとても気持ちが良いから、これは仕方がないことだ。 長身の三条が脚を伸ばせるサイズではないが、ベッドでもソファの上でも小さくなっている方が落ち着く三条には関係ない。 隅っこに寄り、浴室へと持ち込んだスマホで長岡との写真を眺める。 最近のは明るいのも増えたな 昼に会えるから 正宗さんに気、使わせちゃってるよな 自分の身体を傷付けたのが最悪のバレ方をしてから、長岡は“普段通り”を意識してくれている。 そのお陰で、身体はすっかり元気を取り戻した。 クリスマス、なんかお礼も兼ねて贈りたいけどなにが良いかな 指輪に見合うものではなくとも、自分にとっての指輪のような力の貰えるものが良い。 けれど、それが思い浮かばない。 学校でも使えるもの…は一通りプレゼントをした。 日常生活も。 いっそ家賃の負担の…と頭を過るが、流石に今の生活では無理だ。 どうしたものかとアルバムを閉じ、ショッピングサイトを眺めていく。 正宗さん、物欲ないからな…… 人のことを言えないことを棚に上げ、真剣な顔で向き合った。

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