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第363話
マフラー、手袋……
帽子は被らないし……
厳しい寒さの北国なので、どうしても防寒具が思い浮かんでしまう。
けれど、季節的なものは使用でかなるのも期間的だ。
それが駄目という訳ではない。
マフラーだって、4、5ヶ月は使うし、学校でも使ってもらえる。
だけど、もっとと欲が出る。
う゛ーん…
ベッドにごろんと寝転び、天井を眺めた。
自分ならなにが嬉しいかなんて、なんでも嬉しいからなぁ
缶コーヒーや、コンビニの中華まんだって嬉しい。
相手が長岡だから。
参考にはならない。
『遥登、戻ったぞ』
「あ、おかえりなさい」
浴室から戻って来た長岡の姿を確認し、姿勢を正した。
ラフな格好に、流行りの服とも思う。
ラフな格好にはラフな格好の、流行りの服には流行りの服の格好良さと色気がある。
『寝転んでて良いぞ。
正座してねぇだろうな』
「正座はしてませんよ」
『こっちの部屋だとすんだろ』
「それは…。
でも、ここではしませんよ」
着飾るのも楽しそうだが、なんだか自分本意な気もする。
それこそ気にしすぎだろうか。
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