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第368話
唇に塗られるのは、コンビニで購入したあんまんの餡だ。
そんなものを使ってのこんな行為でも、長岡は嬉しそうにする。
それが嬉しい。
こんな貧相な身体に発情してくれることも、コンプレックスばかりの自分なんかを好きでいてくれることも。
深い愛情に甘やかされ、すっかり骨抜きだ。
「ほんと、美味そうだな」
「甘い、です…」
「あんこだからな」
その顔。
その顔の長岡に食われたい。
そう思うのは、はしたないだろうか。
けれど、甘いのを覚えた身体は甘いものを求める。
上を知れば、下には戻れない。
生活水準も恋人からの甘やかしも同じだ。
こんな極上を知ったら他は霞んでしまう。
「勃ちそうな顔しやがって」
「それは…正宗さんもです……」
押し付けられるあんこの付いた指を舐めれば、長岡は小さくため息を吐いた。
「やり過ぎた…。
生殺しだな」
生殺しなのは三条も同じ。
下着の中でソレは反応しかけている。
「今度する時は沢山泣かすからな」
「お、となげない…」
「子供で構わねぇよ。
遥登と一緒にいれんならな」
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