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第377話
クリスマスが終わると一気に年末感が強くなる。
スーパーに行けば、いつが大安だと鏡餅やしめ縄が出入り口前で売られ、正月料理に使われる野菜類もジンジワと値上がりをはじめる。
琴で奏でられる正月の曲。
本当に日本人は楽しいイベント事が大好きだ。
「すげぇ空気だよな。
昨日までは恋人とみたいな空気だったのに、今日からは家族とみたいなな空気だろ」
「あぁ。
言われてみれば」
買い物を頼まれた三条と、受験勉強の休憩に付いてきた優登。
気分転換も大切だ。
優登の成績なら大丈夫だろう。
自分と同じく、推薦を断ったらしい。
実力でいきたいという理由で。
優登らしい真っ直ぐな理由だ。
けれど、油断はいけない。
皆、頑張っているのだから。
「餅か。
腹持ち良いから食っちゃうよなぁ」
「食うか?
家にきな粉あったろ」
「うーん…。
綾登も食いたがりそう。
食わせて大丈夫?」
「あー、どうだろ。
まだじゃね」
「んじゃ、お菓子だろ」
スタスタとお菓子コーナーへと歩く背中は頼りがいがある。
そして、きっと綾登も好きな物を選ぶんだろうなと分かる。
「高いアイスでも良いけど」
「え!
そっちが良い!」
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