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第378話
炬燵に入って食べるアイスの美味しいことと言ったらない。
贅沢で最高だ。
「おいしね!」
「美味いなぁ」
果物味のパプコを綾登と分けて食べる。
自分の手に握られたアイスと、小さい両手が持つアイス。
同じものなのに、容量がまったく違って見える。
大きなアイスを食べるのも夢だ。
羨ましい。
それにしても、この角度から見る弟は可愛い。
ちゅーっと吸い口が尖るのも可愛い。
小さいだけで、なにをしても可愛く見える。
三条も十分に弟達に甘い。
「ちめたい」
「タオルいる?」
「うん」
優登が寝転び母親が畳んだ洗濯物の中から小さなタオルを取ってくれた。
それでアイスを包む舌足らずなありがとうが聞こえてくる。
「ゆーと、ありあと」
「どういたしまして」
「はぅも、ありあと」
「うん。どういたしまして」
兄弟で過ごす年の瀬の一時。
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