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第399話

舐めたい。 舐めたい。 「…な……たい…、」 『舐めたいなぁ。 けど、次まで我慢。 出来るよな』 さっきから、正宗さんが意地悪ばかりする。 本物のサディストだ。 世間の自称Sっけのある人とは違う。 わざとやって、その反応を楽しんでいるのが分かる。 長岡のシャツに顔を埋めグズグズしながらも、アナルへと突っ込んだ指を動かす。 足りない。 もっと欲しい。 あの指が良い。 『良い子だ』 “良い子”じゃ、足りない。 なにか、アナルに突っ込んで搔き混ぜたい。 シャーペンは駄目だ。 先が尖っている。 先が丸いキャップ付きのペンは、体内で蓋がとれるのがこわい。 なにかないか。 頭が変にグルグルと回る。 コーヒーの缶。 あのサイズだ。 あのサイズのもの。 それでめちゃくちゃにされたい。 長岡のにおいと声が後押しし、頭の中は淫らな欲望ばかり。 3本目をほぼ無理矢理押し込んだ。 「……ぁ゛」 『おい、大丈夫か。 声、出てんぞ』 掠れた声にうんともすんとも反応が出来ず、怒った猫みたいな音が喉から聴こえる。 反応しないと。 長岡が心配してしまう。 なのに、口から出たのはそんなものではなかった。 「……おか、され…たい…」

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