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第405話
爆睡をかましてしまい、すっかり朝だ。
見慣れた部屋が視界に映る。
「……まさむねさん」
眠たい目でカメラを観ると、長岡の茶けた頭がふとんから覗いていた。
それでも時刻が気になりスマホを手に取る。
まだ寝ていて良い時間らしい。
とはいえ、それも15分ほど。
スマホで動画を観て時間を使うか。
丁度良さそうな再生時間のものを見付け、眺める。
面白くて時々変な顔になってしまうが長岡は寝ているので問題ないだろう。
短い時間でも面白いものは面白い。
誰かの手によって大切に産み出されたものは、今日も誰かを楽しませてくれる。
「……へへっ」
『楽しそうだな』
「え、」
寝ているはずの恋人の声がする。
慌ててそちらを見た。
『はよ』
「お、はようございます」
伸びた前髪を後ろに撫で付けたとびきりの良い顔に、胸がぎゅぅぅっと締め付けられる。
朝からご馳走だ。
なんて贅沢。
別の意味で顔の筋肉が緩む。
『まぁーた、ニヤついてる』
「正宗さんが爆イケ過ぎて…」
『なんだそれ』
ふにゃっと笑いながら迎えられた朝はしあわせだ。
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