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第410話

「ちょっと出掛けてくる。 適当な時間に帰ってくるから、ご飯とか気にしないで」 「はいはい。 気を付けてね」 「うん。 行ってきます」 コートにマフラー。 完全防寒でリュックを担ぎ、駅へと向かう。 リュックの中には交換した服が詰め込まれていた。 自慰を見せあったあの日、精液を飛ばしてしまい青ざめた三条に、洗わずそのまま持ってこいと言った時の長岡の顔はなんとも言えないものだった。 良い意味でも、悪い意味でも。 雄っぽい顔してたし、ナニに使うかなんとなく予想出来るのがなぁ… 正宗さんのなら嬉しいし、俺も大概…… 「遥登くん、こんにちは。 お出かけ? 気を付けてね」 「こんにちは。 行ってきます」 ご近所さんから声をかけられ咄嗟に笑顔をつくったが、リュックの中が気になってしまう。 袋に淹れてはいるが、精液がついている。 万が一のことがあった時にそれを警察や家族に見られてしまうなんて絶対に嫌だ。 なんとしても、長岡の部屋へと行かなければ。 擦れ違い駅前へと歩いているとコートのポケットに入れたスマホが震えた。

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