443 / 729

第443話

食べきれなかったチョコレートと共に帰宅する。 家の近くの角まで来てくれた長岡に撫でられた頬が緩んでしまう。 大好きな人と過ごせる時間は掛け替えがない。 思わぬアクシデントもあったが、あの後無事に静まり、また甘い時間を過ごした。 そのまま入浴を済ませ静かに部屋へと戻るとそれらの荷物を置き、向かいの部屋をノックする。 「優登、起きてる?」 「うん。 どうしたの」 「おやつ買ってた。 またま勉強すんだろ。 腹減ったら食べな」 「ありがと!」 エコバッグこどお菓子を渡すと弟は嬉しそうにした。 中には弟が好きなお菓子や、手軽に食える栄養補助食品、ゼリー飲料。 どれも勉強をしながらでも食べれるような物だ。 頭を使うと腹が減る。 頑張っているのだから少しくらい食べたって良いだろう。 甘い物も沢山の買ってきた。 「食ったら、歯磨いてから寝ろよ」 「大丈夫だって。 綾登じゃねぇんだから」 「じゃ、部屋戻る。 無理しすぎんな」 うぃーと手を振る弟の努力が実を結びますように。

ともだちにシェアしよう!