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第453話

週末になり、いつもの逢い引きだ。 長岡は、教師達は試験明けだからこその忙しさに元気を分けてくれと、神社で人目も気にせず抱き付いた。 三条の清潔なにおいがたまらない。 これで元気が回復する。 「あったけぇ」 「お疲れ様です」 「疲れてねぇよ。 受験生が頑張ってんだから、それ相応の対応をするのは当たり前だ。 人生がかかってんだからな」 「じゃあ、ありがとうございます」 ん、とだけ返事をすると背中を擦ってきた。 三条のこういう甘やかしが良いんだ。 だからこそ、気を遣うことも手を抜くこともせず頑張れる。 そっちの方が、三条の甘やかしが沁みるからな。 「お兄ちゃんもお疲れ」 「もっかい、良いですか…? 録音するので」 「そういうとこ、若いよな」 「21歳ですって」 ゴソゴソとスマホを取り出す恋人は自分より9歳も若い。 まだ大学3年生だ。 時々、学生だとか社会人だとか、そういった関係性を忘れてしまう。 お互いの括りが、恋人であり家族だからだ。 ま、家族だろうと性的な目で見ているし、酷い抱き方をしてしまうのだが。 それを含めて、自分達の愛のカタチだ。 ボイスレコーダーを起動させると、そこに言葉を吹き込む。 「お兄ちゃん、お疲れ」 チラリと“お兄ちゃん”を見れば、目をキラキラ輝かせている。 これは、おまけだ。 「愛してるよ、遥登」

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