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第458話

『よぉ、お兄ちゃん。 合格おめでとうございます』 「ありがとうございます。 正宗さん、最近その呼び方好きですね」 『弟しか呼べない呼び方だろ。 羨ましい』 真っ直ぐな言葉にはにかんだ笑顔を返す。 長岡の愛情はとても大きく、行動からきちんと伝わってきている。 だけど、言葉にされるとまた良いもので、ニヤケが抑えられない。 「でも、恋人なのは正宗さんだけですよ」 『そりゃ贅沢だ』 「それに、特別な人です」 首からぶら下げる指輪に触れると、長岡の目が優しく細められた。 “恋人”で “家族”で “特別”な人。 名前も関係も自分達が決めたら良い。 誰かは関係ない。 誰かの為に長岡と一緒にいるんじゃない。 自分が、そして、長岡がしあわせだから一緒にいるんだ。 それに名前をつけるなら“特別”。 『じゃ、俺の特別な遥登。 乾杯すっか』 「はいっ」 『合格おめでとうございます』 「ありがとうございます」 笑い合えるならそれに理由はいらない。

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