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第475話

「あっち、行きます…」 「あっちって?」 あっち、寝室だ。 けど、別に寝室でセックスをする理由もない。 ソファでだって良いと言われたら、反論が出来ない。 長岡が自分を辱しめそれに喜びを感じるサディストなのはよく理解しているし、実際そういうことをしたり言ったりしてくる。 現に今だって、分かっていて言ってるはずだ。 顔が笑っている。 「ベッドで、沢山……、えっちなことがしたい、です…」 勇気を振り絞って言葉にはすれば、とびっきりのサディスティックは笑顔が返ってきた。 「俺が、頑張るって言いましたし…」 「んー?」 「ベッ、ト……に、ベット、行きましょ…ん…っ、」 手が、玉に触れそうだ。 触れるかどうかのギリギリところで内腿を撫でるのがいやらしい。 腰が動いてしまいそうだ。 「あっち、広いから…」 すると、長岡がくくっと笑みを溢した。 「広いって…」 「……、広いじゃないですか…」 「色気のねぇ誘い方で、すげぇ良いよ」 それは、喜んで良いのか。 漸く腰を上げた長岡に腰を抱かれ大袈裟なほど身体を震わせてしまい、また笑われてしまった。

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