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第476話
三条から腕を引き寝室へと誘導すれば、長岡はニヤニヤしながらも大人しく着いてきてくれる。
楽しくてしかたがない顔だ。
本当にサディスティックな趣味だ。
「お?」
ベッドへと押し倒した長岡の上へと乗り上げると、シャツを脱ぎ捨てる。
ガリガリで肋の浮いた胸を晒すのは恥ずかしい。
だけど、恥ずかしいことをするのは長岡とだけ。
長岡としか出来ないから、この恥ずかしさは長岡とだけのもの。
「えっろ」
「…あんまり、見ないでください…」
「俺の遥登だろ。
見るよ」
そんな恥ずかしい台詞でも、この顔から吐かれれば極上だ。
そっちの気がなくとも1回くらい…と思うだろう。
だけど、駄目だ。
長岡は俺の。
俺だけの恋しくだ。
人生を交換したんだ。
絶対に、1回でも貸してやれない。
ベッドの隅にシャツを落とし、考える。
次…、どうしよう…
キスやペッティングをして長岡をその気に──もう既になっているが──させたいが、今は出来ない。
舐めるのも同様だ。
押し倒して早々に動きを止めてしまった三条に長岡はクツクツと笑いだした。
「…っ、」
どちらの意味でも恥ずかしい。
こうなったら、長岡の同意ありで舐められるようにする。
「舐めても、良いですか…」
「ナニを舐めるんだ?」
「な、にって……正宗さんの、……ちんこ、を」
「ん。
良いぞ」
「……ごむ、借ります」
「どうぞ」
一緒に寝室へと持ってきた段ボールの中から避妊具を取り出し、また固まった。
「あぁ。
春らしく苺味にしたんだよ」
こんなところに季節感を演出しなくて良いじゃないか…。
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