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第492話

ベッドにつく腕が震える。 腰を崩してしまわないようにそちらに力をいれているからだ。 ドライは体力の消耗が激しく息が切れる。 次の瞬間、そんな身体がひっくり返った。 正確には、ひっくり返されたんだ。 「あ…ッ」 当たる位置が変わり甘ったるい声が口から出た。 そんなことすら快感を拾い上げる身体を見下ろし、長岡は色気を隠すことなく微笑んだ。 「抜くから、あんま締めんなよ。 ふとんに溢れるぞ」 楽しそうな声で大切なことを言われ、身体に力が入ってしまう。 まだ欲しい、と。 「ゴム交換するだけだって。 すぐにやるから」 「……ッ」 吐精し僅かばかり萎えたソレが無情にも引き抜かれていく。 アナルの縁が捲れるような、何度経験しても慣れない感覚に背中を丸めて堪える。 そして、すべてが引き抜かれると精液が与えられていないと淫らな開閉を繰り返した。 あれだけの中出しを繰り返してきた身体はすっかりそれを学習していた。 セックスは生で中出し。 最低な方程式だが、三条にとっては喜びでしかない。 「ほら、精液。 どうしたい?」 どうしたい。 そんなの、決まってる。 長岡の精液が欲しい。 腹の中に。 中からマーキングされたい。 「のませて、ください……」 あ、と口を開けば、ボタボタと落とされる白濁。 青臭いし、苦い。 だけど、とても美味しい。 長岡の味だ。 教え込まされた味を飲み込む。

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