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第496話
栄養補助食品のクッキーがあるが、これで小腹を満たすのはなんだか少し物足りない。
お湯を沸かしながら戸棚を漁る。
だが、お菓子をあまり買い込まない長岡に部屋に丁度良い物があるはずもない。
手は自然と冷蔵庫へと伸びた。
冷凍うどんがある。
それと、2人で分けて食べるパプコ。
そういや、アイス買ってたな
新作が出るとつい手が伸びてしまうのは、それを三条と分けて食べてしあわせを知っているから。
大学の用事で部屋を利用することもある三条へのおやつの意味もある。
こうして今日のように部屋を訪れる頻度も増えた。
そんな時の為に溜めていた物。
丁度良く沸くお湯でインスタントコーヒーを作っていると、三条が顔を覗かせた。
「シャワー、ありがとうございました…」
「転ばなかったか?」
「はい」
「眠いか?」
「少しだけ。
けど、随分と目が覚めました」
襟足がしっとりと濡れているので、恋人が手にしたタオルを借りコソを乾かす。
「うどん食うか?
アイスもあるぞ」
「正宗さんのご飯は大丈夫なんですか?」
「あぁ。
冷凍してる米もあるし大丈夫だよ。
一緒に食ってくれ」
嬉しそうな横顔を見、更にその顔が見たくなった長岡は冷凍庫を開けるように促す。
そして、その中のアイスにまたしても嬉しそうに頬を緩ませる恋人を見て、長岡もしあわせそうなものを返した。
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